ざる豆腐を作ってみる

前回築地に行った日、乾物屋の看板猫につられて大豆を買った。その後ハンズでにがりを購入。ざるは前から家に転がっていた。いつかは作ろうと思いながら気が付くとあっと言う間に2ヶ月。そんなある日、ろば@さんじえご氏にメールで豆腐の作り方について訊かれたのに触発されて、ついに豆腐作りにチャレンジしてみた。去年の今頃、そば打ちでひどい目に遭っていてちょっといやな予感を伴いながら、いざ作るべし。

材料:(約1.5丁分)
大豆 (300cc)
にがり(小匙1.5くらい)
水(たくさん)

機材:
ざる、クッキングカッター、でっかい鍋、ボウル、木べら、濾すための布 など


  • 大豆を一晩水に浸ける。
    約12時間浸けた。ここで十分大豆に水を吸わさないと失敗するらしい。これっぽっちの大豆で大丈夫かと少々不安になるががまんする。翌朝、びっくりするくらい大豆が膨れている。3倍以上だ。これなら足りそうだ。がまんしてよかった。
  • クッキングカッターで粉砕する。横着していっぺんにやろうとしたが溢れそうになって断念。ここは急がば廻れ。数回に分けて粉砕した。粉砕するときは少し水を足す。1回に10分くらいは粉砕したほうがよいようだ。5分位と比べて見た目は変わらないが触ってみると粒の大きさが全く違う。この粉砕が足りないと「豆腐作り」でなくて「おから作り」になるらしい。要注意だ。
  • 生呉(なまご)完成。
    粉砕撹拌作業でたっぷり空気を含んで膨張し、ホイップクリーム状態。食べてみると、めちゃくちゃ青臭い。おいしくない。
  • 生呉を中火で20分ほど煮るする。
    大鍋にお湯を2400cc沸かして生呉を少しずつ入れながら中火で煮ていく。本を見ると、「だんだんたくさんの泡が出てくる」と書いてあるが、最初から泡だらけ。そこにさらに泡が出てくる。差し水をすれば泡はある程度消えるが、とにかく始めからからある泡が消えない。ピンチ!結局終わり頃まで試行錯誤の結果、対応策を発見。-泡をおたまですくってぐるぐる廻しながら泡を消して戻す-を繰り返せば良いようだ。最後には泡の消えた呉汁完成。部屋中にあの「朝の豆腐屋さんのいい匂い」が充満する。

浸ける前と浸けた後。

生呉。

生呉煮込み。泡だらけ。

煮込み終わり。なんとか泡消え。


  • 呉汁を濾す。
    鍋にガーゼをかぶせて呉汁を流し込む。ガーゼを閉じて箸で豆乳を絞る。熱い。半端じゃなく熱い。しかし、ここでがんばって絞らないとおいしい豆腐でなくおいしいおから作りになってしまうのでひたすらがんばる。ここでうまいこと苦労せずに絞る方法 募集中。
  • おからと湯葉が完成。
    おからは努力の結果、あまり味がしない。水面にできる膜をすくえば湯葉だ。醤油をちょっとつけて食べたらとても旨かった。

鍋に呉汁を流し込む

あつい~。あついよ~。

おから。後日コロッケになる。

湯葉。うまい。


  • にがりを打つ。
    「打つ」というのがなんか玄人っぽくてかっこいい。玄人っぽいだけあってここが多分一番難しいところだ。豆乳を沸騰直前まで温めて小匙1.2程250ccの湯に溶かした「にがり」を廻しかける。かけるときは木べらの上に流すようにやるらしい。このとき決してかきまわしてはいけない。恐ろしいことがおこるらしい。そのまま5分置く。
  • 固まった豆乳を。。。
    ここで緊急事態発生!全然固まっとらん!!どうしたんだ。困った。これでは全てが水の泡だ。考えろ鯖。考えた。こうしよう。
  • にがりを再び打つ。
    そんなことが許されるのかわからないが、だめもとで小匙0.3位のにがりを再び打つ。
  • 再び固まった豆乳を。。。
    そう、奇跡はおきた。見事にかたまっている。木べらでそーっと下からすくうようにして裏返すする。
  • 豆腐と湯を分離する。
    ざるを沈めると豆腐と液体が分かれるので、液体をお玉ですくう。
  • ざるに豆腐を移す。
    お玉ですくってざるに移す。豆腐の重みでじっくり水分が落ちるのを待つ。
  • 完成。
    水にさらすとにがりが抜けてよいらしい。

にがり打ち直後。

やっと固まる。

分離した湯とにがりをすくう。

ざるに移して完成だ。


というわけで、にがりの二度打ちという掟破りの暴挙に出たにもかかわらず満足の行くざる豆腐を作ることができた。生姜、分葱を薬味に卵焼きを付けて日曜の夕方に梅酒で一杯やっつけたらとても気分が良かった。残った「おから」は主にコロッケに消費された。おからがきちんとリサイクルされればコスト的にもかなり満足できそうだ。クッキングカッターさえあれば家庭で安価に気軽に豆腐が作れることがわかった。と言うわけで今回は勝利だ。また、豆腐作るぞ、てゆうか蕎麦打てよ鯖。
近所の豆腐屋が壊滅的にウマイことを発見してしまい、自作はやめた。