蕎麦打ち敗北記

前々からチャレンジしたかった、蕎麦打ちについに手をつけた。一応二八そば。
ちょうど屈強な友人も遊びに来ていたのでむりやり手伝わせる。
麺棒、まな板、包丁等全て揃えて、スタイルもこのとおり、忍者マニアのあやしい外人のようないでたちで臨んだわけです。



ところが、この日はあいにくの曇天。しかもものすごい湿度。いくら捏ねてもそばはべたべた。
なんとか捏ね終わって、延ばして、次は蕎麦切り。
ものの本では「蕎麦切るときは力でなく、包丁の重さで切るつもりで・・」とか書いてあるが、切れぬわ。
そりゃ何トンの包丁か?!と言いたい。
当然細くなど切れるはずもなくみみずのような蕎麦が生産されてゆく。
さらに、こいつらも切る側からくっついてゆく。
しかたがないので何度も打ち粉をふってくっつかないようにする。そして茹でる。
本には2分と書いてあるがおそらく見本の4倍はあろう太さの蕎麦が2分で茹であがる筈もない。
とりあえず4分。なんとか完成。
今回はつゆまで凝る予定でなかったので市販のものを用意。築地で買った本わさび。薬味に大葉と笹身を添える。それが写真



どうしてなかなかうまそうな蕎麦が一人前と思った人はだまされた人。

縮尺が違う。

笊に盛られたのは優に4人前
いわゆるど田舎蕎麦(と言ったらもちろん田舎蕎麦に悪い)である。
食べてみる。蕎麦の味は確かに濃い。中まで火が通っていない気がすごくする。
のどごしと言う評価項目はそこには存在しない。
そこには初めて食べる私の知らない食品があった。そば湯も飲んだが打ち粉が多いため重湯のようなそば湯。
でもおいしいことはおいしかった。
手伝ってくれた友人の評価

「あじがある」。

こんな時、素人が使いたがる言い訳「野趣」と言う言葉も連発されたのは言うまでもない。
私は蕎麦への敗北感を噛みしめ再戦を誓うのであった。

反省:
1.湿っぽい日に戦うのは危険
2.打ち粉は親の敵
3.そばをなめんなよ。十割そばなんて十年早ええ。

知人から、「さがえそば」という池波正太郎も愛していたらしい乾蕎麦を紹介された。
2人前200円を切る値段&茹でるだけという手軽さでこのクオリティが出てしまうと自作は廃止である。
だしとかえしも一度自作してみたが、これも近所の自然食品売り場で天然だし100%醤油を発見。
そして、その上の蕎麦を食いたければ近所の「鞍馬」へ行けばいい。
常食するには高いが、たまにならアリである。

よって自作はありえなくなってしまった。